(公)鉄道技術総合研究所「電力技術交流会」のご案内
この度当研究所では「電力技術交流会」を下記の通り開催いたします。関係の皆様にご参加をいただきますようご案内申し上げます。

日 時 平成28年10月21日(金)(12:45受付開始)
見学会 13:15〜14:15(電力関連設備を見学いただけます)
* 見学会にご参加の方は13:10までに講堂前に集合ください
講演会 14:30〜17:55(講演会からの参加も可能です)

場 所 (公)鉄道総合技術研究所(JR中央線 国立駅下車 北口徒歩約7分)

講演会プログラム
14:30〜14:35 開会の挨拶  技術推進部部長 館山 勝
14:35〜14:55 変圧器の寿命判定法  電力技術研究部主任研究員 赤城 雅陽
14:55〜15:15 超電導磁気軸受を用いたフライホイール蓄電装置の開発
        浮上式技術研究部主任研究員(上級) 山下 知久
15:15〜15:35 架線着霜の予測手法  防災技術研究部副主任研究員 宍戸 真也
15:35〜15:45   −休憩−
15:45〜16:05 超電導き電ケーブル  材料技術研究部室長 富田 優
16:05〜16:25 曲線引金具のひずみ計測によるパンダグラフすり板の段付摩耗検知手法
        鉄道力学研究部副主任研究員 小山 達也
16:25〜16:45 離線測定と目安値  電力技術研究部主任研究員 早坂 高雅
16:45〜17:05 電車線の非接触測定技術  電力技術研究部主任研究員 根津一嘉
17:05〜17:20 電力技術の将来展望  電力技術研究部部長 兎束 哲夫
17:25〜17:55 −ミニセッション−

参加費 無料(お名刺を2枚準備願います)
講演会終了後,意見交換会(18:00〜19:00)を予定しております。こちらにもご参加下さい。
*参加ご希望の方は,別紙参加申込書にご記入の上,FaxまたはE-mailにて平成28年10月14日までにご返信願います。
なお,下記URLにてもお申し込み受け付けをいたします。
URL http://www.rtri.or.jp/sales/gijutu/index.html


第28回超電導電力貯蔵研究発表会
 2016年7月7日(木)、梅雨明けを思わせるような晴天の日に、超電導エネルギー貯蔵(SMES)研究会の第28回研究発表会が學士會舘で開催されました。本年4月1日から電力の小売業が全面自由化され、低圧受電のご家庭などでも電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。東日本大震災以降、原子力発電の再稼働が大きく進展せず、火力発電で使用する化石燃料は多くを海外からの輸入に頼り、市場価格が不安定なうえ、その利用に伴って発生する温室効果ガスの排出量削減が必要となっています。その対策の1つとして、環境への影響と資源の枯渇の恐れが少ない再生可能エネルギーの導入量を増やすには、電力系統の安定運用に支障をきたさないよう発電出力を安定化するため電力貯蔵システムの利用が鍵を握るのではないでしょうか。数ある電力貯蔵システムの選択肢の中からSMESの長所、短所を踏まえ、どのような場所にどのように使うのがよいか活発に議論していくことも大切ではないかと思います。
 さて、今回の研究発表会では、技術研究発表4件、特別講演として高エネルギー加速器研究機構 准教授の都丸 隆行 先生より「重力波天文学の幕開け」のご講演をいただきました。技術研究発表では、平成27年度SMES研究会の取組みの中から、各種電力蓄電装置の調査結果として取組んだ、二次電池に関する講演が中心となりました。
 正田会長の挨拶の後、最初の発表として技術委員会委員長の秋田 調 氏より、SMES研究会の平成27年度調査結果としてとりまとめた技術報告書の概要による活動報告及び平成28年度活動計画について説明がありました。平成27年度は、群馬大学医学部付属病院におけるRUPS(Resiliency Uninterrupted Power Supply)システムに関する検討に加え、リチウムイオン電池、レドックスフロー電池、NAS電池、超電導フライホイール蓄電システム等の電力貯蔵装置について調査を進めてきましたが、更なる検討のため平成28年度も引き続き、SMESが他の電力貯蔵装置と比較してエネルギー貯蔵効率等の観点からどういった優位性があるのか比較検討・整理していくとの説明がありました。また、SMES研究会会員としての特典等についても補足説明がありました。
 次に,平成27年度技術委員会において取組んだ調査内容から、蓄電池の中で紹介したいと考えられた3件について発表がありました。まず、(株)東芝 電力流通システム事業部 系統ソリューション技術部 主幹の小林 武則 氏より、(株)東芝で製造、販売されているリチウムイオン電池のSCiB(商品名)の紹介がありました。SCiBの最大の特徴は、負極に非導電性材料であるチタン酸リチウム(LTO)を使用していることにあるとのことです。これにより、正極と負極が電池の内部で短絡した場合でも発火しない安全性の高い電池となっているそうです。また、(株)東芝は、電池そのものの製造からパワーコンディショニングシステム(PCS)の周辺機器も含めたシステムを一貫して設計・製造していることが大きな強みとなっているとのことでした。実際に変電所等で使用されている例も紹介され、具体事例として、東北電力の南相馬変電所に、電力需給バランス調整用に出力40MW、容量40MWhの世界最大級のリチウムイオン電池システムを平成28年2月に運用開始したとのこと、海外では北米の-20℃以下になるような低温環境下への納入実績があり、気温によるSCiBの性能低下はそれほど大きくないことなどが紹介されました。
 次に、住友電気工業(株)フェロー パワーシステム研究開発センター 二次電池部長の重松 敏夫 氏より、自社で開発しているレドックスフロー電池について紹介がありました。カルフォルニア州では公益事業委員がカルフォルニア州の三大電力会社に2020年までに1.3GWの蓄電池を導入することを義務付けており、レドックスフロー電池もアメリカで実証試験を進めていくことが決まったとのことです。セルの数で出力が、電解液のタンク規模で蓄電容量が決まることから、電池の出力と容量を独立して設計できることや、充放電による劣化がほとんどなく、かつ、電解液は永久に使用できるため耐久性に優れていることなど、レドックスフロー電池は大きな長所を持っているようです。また、レドックスフロー電池の更なる低コスト化に向けて、住友電気工業(株)が独自にマンガンイオンとチタンイオンを使った硫酸系電解液の研究にも取り組まれているとのことでした。具体的な導入実績として、大規模な用途への適用に向いている特徴を生かして、北海道電力 南早来変電所に出力15MW、容量60MWhの大容量のレドックスフロー電池を設置した例や、リアルタイムで正確にSOC(State Of Charge)を計測できることから、独自のエネルギーマネジメントシステムを導入して、SOCの最適制御を行っている例などが紹介されました。
 最後の技術研究発表では、日本ガイシ(株)電力事業本部 営業企画部 マネージャーの渥美 淳 氏より日本ガイシ(株)で開発しているNAS電池の紹介がありました。NAS電池は、大容量、高エネルギー密度、高速応答性、長期耐久性等の優れた特徴を有すものの、NAS電池そのものが危険物の指定を受けているため、モジュール電池について、外部で火災が発生した場合、浸水した場合、衝撃荷重を受けた場合、外部で短絡が発生した場合、内部単電池が燃焼した場合等の安全性確認試験を実施しているとのことでした。また、NAS電池は2002年度から商用販売を開始してきたことから、日本国内だけでも36万kWの納入実績があるそうです。風力発電所、太陽光発電所、離島等様々な用途に応じた、多くの使用実績の例をご紹介いただきましたが、その中でも九州電力 豊前発電所に納入されたNAS電池は、出力50MW、容量300MWhで世界最大級の容量となる蓄電池だそうです。
 特別講演では、都丸 隆行 先生より、重力波のトピックスに関するご講演をいただきました。お忙しい中、富山県のKAGRA実験施設から講演会場の學士会館まで直接駆けつけていただきました。まさに、基礎科学の最先端の研究であり、実際にはとても難しい研究であるにもかかわらず、具体的な内容も踏まえて大変わかりやすく、説明していただきました。アメリカが重力波を初めて検出した時のエピソード、その観測された重力波の意味する重要性、一番身近である重力という現象が、実は一番わからないことが多い現象であることなどを伺うことができました。また、重力波を観測するためには、10-24mという想像を絶する高精度の測定が必要であり、その高い測定精度を実現するために、KAGRA重力波望遠鏡に使われている低温技術なども紹介していただきました。具体的には、冷凍機には特別に振動の小さいパルス管冷凍機を採用していること、観測用のサファイアミラーを極低温に冷やすために、振動を伝えず、かつ、熱だけを伝えるようにするため、非常に細い6Nの超高純度アルミ線(6Kにおける熱伝導率は40,000 W/(m・K))を使用していること、KAGRA用の真空容器は長さが3kmにもなる世界最大級の容器であるため、アウトガスの非常に小さい真空多層断熱材を使用していることなどの紹介がありました。
 七夕の日に相応しく、宇宙へのロマン、科学者の熱い思いを第一線の先生から伺うことのできた大変貴重なご講演で研究発表会を締めくくることができました。
 また、研究発表会後には、ご来賓の都丸 隆行 先生にもご参加いただいて、和やかに懇親会が開催されました。ご講演をいただきました先生方に感謝申し上げるとともに、大変暑い中、多数の方のご参加をいただきましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。



第310回公開拡大技術委員会・見学会
2016年02月19日(金)午後に第310回拡大技術委員会が兵庫県尼崎市にある岩谷産業中央研究所で14名の方にご参加いただき開催されました。はじめに、岩谷産業様の中央研究所を見学させていただいた後、委員会が行われました。

中央研究所見学では、液体水素実験室等の各種実験室、液体水素貯蔵タンク、水素ステーション(写真参照)、デモンストレーションルーム、技術展示コーナなどを見学させていただきました。液体水素実験室は、このような実験ができる設備は日本で2箇所しかない貴重な設備であるとのことで、施設の安全設備などについても説明を伺うことができました。当日は、液体水素で冷却するSMESコイルモデルを見学させていただくことができました。また、実験室やデモンストレーションルームでは、100MPa水素コンプレッサ、PSA(Pressure Swing Adsorption)方式の水素精製装置、溶接のデモンストレーション装置、不純物ガス測定装置、混合ガス製造装置等を見学させていただきました。溶接技術も岩谷産業様の重要な技術の柱のうちの1つであり、溶接のデモンストレーション装置は溶接電源、溶接ワイヤー、シールドガスを自由に組み合わせることができ、いろいろな溶接条件を試験できる装置になっているそうです。また、液化水素の品質を向上させるためには、非常に微量の不純物ガスも管理することが重要であり、不純物ガス測定装置は10pptの精度まで測定できるそうですが、このレベルの精度を測定するにはバックグラウンドを下げる技術も必要になるそうです。混合ガス製造装置は1mgの単位の高精度でガスを混合できるそうで、標準ガスを作るのにこのような高い精度が必要とのことでした。

 見学後の委員会では、委員長の秋田調氏より技術委員会の平成27年度事業計画と開催実績の説明をいただいた後、住友電気工業の重松様、大阪大学の伊瀬先生、明治大学の野村先生にそれぞれご講演いただきました。

まず、重松様からは、レドックスフロー電池についてご紹介いただきました。アメリカでは、燃料電池の技術者がレドックスフロー電池の改良研究で成果を上げており、開発競争が活発になってきていること、レドックスフロー電池はNAS電池のように法律で規制を受けるような材料が使われていないため安全性にも優れていること、さらなるレドックスフロー電池の低コスト化の検討されていることなどのお話を伺うことができました。
 次に、伊瀬先生より、最近の電力変換器についてご講演いただきました。SMES用途の電力変換器として、高電圧用モジュラーマルチレベル変換器に双対変換的な考え方を適用した低電圧大電流の変換器の検討例を紹介していただきました。低電圧であるため、MOSFETを適用でき、ショットキーバリアダイオードとあわせた主回路を構成すると、スイッチング損失などを考慮しない計算において90%以上の電力変換効率も可能であるとのことでした。
 最後に、野村先生より360MWhの日負荷平準化用SMES装置の検討例をご紹介いただきました。工場で製造したSMESコイルを現地へ運搬できるようにするためにSMESコイルの直径を4m以内として設計し、Y系線材の電磁力平衡超電導コイルを4000個設置するというご提案でした。超電導コイルの数が多いために単位体積当たりの表面積が広く、かつ、日負荷平準化の用途で待機時間が6時間程度となるため、SMESのエネルギ効率を検討するには比較的厳しい条件で計算された結果であるにもかかわらず、超電導コイル温度20Kでの運用でエネルギ貯蔵効率71%、50Kでの運用で79%という結果が得られたそうです。
 
水素エネルギに関する最新の設備を見学でき、また、貴重な最近の技術動向のお話を聴講させていただくことができましたこと、中央研究所をご案内いただきました岩谷産業(株) 繁森敦様、ご講演いただきました住友電気工業(株)の重松敏夫様、大阪大学伊瀬敏史先生、明治大学野村新一先生に深く感謝いたします。
(写真:水素ステーション前にて(写真に写っている自動車は燃料電池車のミライ))



第308回公開拡大技術委員会・見学会
超電導電力貯蔵(SMES)研究会の第308回拡大技術委員会が平成27年8月27日(木)東京工業大学 大岡山北3号館(EEI棟)1階ホールにおいて、SMES研究会の委員となられていない皆様にもご参加いただき、総勢17名の参加者のもと公開にて開催されました。
 本拡大技術委員会では、まず、技術委員会委員長の秋田 調 氏より平成27年度の事業計画について、引続き世界をリードするSMES検討集団として、時代を先取りした技術的検討とSMES啓発のための活動を進めていくことの確認等がなされました。
 続いて、群馬大学医学部付属病院 システム統合センター 副センター長・准教授 鳥飼 幸太 先生より、東日本大震災による計画停電の実経験から、同病院が災害時医療活動の中心的役割を担う災害拠点病院として機能を発揮するため、全電力を無停電にて供給する必要があること、その解決策としてフライホイール付誘導電動・発電機とディーゼル エンジンをクラッチで連携可能とした瞬低及び長時間の電力供給対策に加え、SMESがその電力不足となる時間領域を分担することで、停電時の全時間帯に渡って安定した電力供給が見込めるRUPS(Resiliency Uninterrupted Power Supply)システムについて提案がありました。本システムが耐災害時にも強靭な電力供給能力が期待されることから、電力事情が不安定なエリアをはじめ人口の集中する欧米等、国内外に多くのニーズが見込めることから、スケール メリットを活かした魅力的な価格設定によって大きなシェアが期待できるのではないかといった見解が述べられました。
 その期待に応えるべく、東京工業大学名誉教授 筑波大学 パワエレ寄附講座 特命教授 嶋田 隆一 先生より、RUPSシステムの中からフライホイール付誘導電動・発電機とディーゼル エンジンをクラッチで連携するシステムのコスト削減施策等について提案がありました。本提案には、東京電力から受電中にも誘導電動機でなく構成要素の一つであるSVC(静止形無効電力補償装置Static Var Compensator)から進相無効電力を注入して停電時以外も誘導発電機として運転し、契約電力の低減や売電等に活用することでコスト削減に寄与するというものがありました。これら、嶋田 隆一 先生や鳥飼 幸太 先生のご提案に対して、参加者からビジネスモデルとしての展開も視野に入れて進めていってはどうかといったご意見があり、国の支援制度の利用等も勘案し、SMES研究会の委員でない参加者のご協力もいただきながら可能性の検討を進めていくこととなりました。
 また、本拡大技術委員会の途中に、東京工業大学で主にトカマク型核融合炉開発の基礎研究を行っておられる飯尾・筒井研究室のご配慮のもと、トカマク装置(写真右下)の電源として利用しているフライホイール誘導機(写真左側)の見学をさせていただきました。最上部に4極55kWかご型3相誘導機、最下部に直径0.64m,厚さ0.135m,回転速度1,500rpm,蓄積エネルギー220kJのフライホイールがカップリングを介して縦軸に取付けられ、高さは1.2mのコンパクトな装置でした。見学時の実験ではフライホイールで蓄積したエネルギーを誘導機で発電し、その電力をPWMコンバータとDCチョッパによりトカマク装置の定格直流電圧140V,電流200Aに変換し、5秒以上通電することができました。騒音による不快感がなく、冷却装置が不要なシンプルかつコンパクトな装置であり、活躍の場が広がる予感を感じました。
 最後になりましたが、見学にあたりご説明いただいた飯尾・筒井研究室の皆様(写真右下)に深く感謝申し上げます。



第27回超電導電力貯蔵研究発表会
第27回超電導電力貯蔵研究発表会が平成27年7月9日(木)アルカディア市ヶ谷において開催されました。東日本大震災を経験した我が国では、地球環境への配慮とともに再生可能エネルギーの導入拡大と普及促進が進められているところです。SMESは電力貯蔵に対して、高効率、電力授受の即応性に優れるといった利点を有し、その一翼を担うことができることから更なる導入を目指していくことが必要ではないかと考えられます。そのような中、技術研究発表では東日本大震災時の輪番停電を契機とした群馬大学付属病院の災害時BCP(Business Continuity Plan:業務継続計画)策定のため、SMESの適用を含めた病院全体の無停電電力供給について、平成26年度の研究成果3件が報告されました。特別講演では、公益財団法人 鉄道総合技術研究所 超電導応用研究室長の富田 優 先生より「超電導技術で鉄道システムの合理化を目指す〜鉄道用超電導き電の研究開発〜」のご講演をいただきました。今回の研究発表会には、大学、研究機関、企業等から60名弱の皆様が参加され、各発表に対して活発な意見交換が行われました。
 会長の挨拶の後、まず、技術委員会委員長の秋田 調 氏より、SMES研究会における平成26年度の研究成果の概要及び平成27年度の活動方針等が紹介されました。その中で、現在、SMESに関して組織的に研究を進めている団体は世界で唯一となり、会員の各専門家が自由で活発な議論を展開しながら技術検討を進めていること。平成26年度の研究成果は技術報告書としてホームページに期間限定で公開中であり、本内容は会員限定で無期限にダウンロードや印刷可能といった特典があることなどから、広く会員を拡大し、より多くの専門家の皆様と議論を深め、更なるレベルアップを図っていきたいとの抱負が述べられました。
 次に、群馬大学医学部付属病院 システム統合センター 副センター長・准教授 鳥飼 幸太 先生より「群馬大学付属病院における蓄電装置を用いた受電−自家発電切り替え時のシームレス無停電化の検討」について発表がありました。群馬大学付属病院における電力供給計画の課題としては、被災によって東京電力からの電力供給が断たれた場合にも災害の拠点サイトとして、被災患者受け入れのためにも診療継続する必要があり、被災時にはそのニーズはより増大することが想定されている。そのためには病院全体の電力をまかなう必要があるが、東日本大震災当時、病院内の最大電力8,000kWに対して自家発電設備容量は3,000kWであり、昼夜の使用電力格差が大きく、全てをコジェネレーションでまかなったとしても採算がとれない。つまり、最大電力でも供給可能な採算のとれる電力設備計画が課題となっていることが紹介されました。
 鳥飼 幸太 先生より紹介いただいた課題を解決するため、SMES研究会の研究成果として、まず、明治大学 理工学部 電気電子生命学科 准教授 野村 新一 先生より「SMESを適用した群馬大学付属病院の電源問題への対応可能性」について発表がありました。群馬大学付属病院で必要となるSMESの電力貯蔵容量は電子カルテなどサーバ系継続運転のための非常用発電機起動用の補償電力であり、500kW−2分間(60MJ)とのことを鳥飼 幸太 先生に確認のうえ検討を進められました。SMESの開発経緯の変遷は、当初、概念設計された長時間大電力供給用としての揚水発電代替装置に変わって、優れた充放電特性から短時間大電力供給用の電力品質改善装置として実用化されている。国内で既に実用化されたSMESの中で最大規模を誇る電気炉負荷変動補償用に活用された装置(10MVA/20MJ)の実地試験結果をベースに、装置構成や規模、有効・無効電力の周波数応答性、交流損失、冷凍動力、貯蔵効率、コスト評価等について検討されたところ、蓄電池に比べコストアップにはなるがSMESによって必要な要求仕様が満足できるとのことで、より詳細な検討に加え実地試験を進めていく意義があると報告がありました。
 次に、「電池、フライホイールを含む群馬大学付属病院の電源問題への対応可能性」について、電池に関しては一般財団法人 電力中央研究所 電気化学領域 上席研究員 三田 裕一 氏、フライホイールに関しては筑波大学 数理物質系 物理工学域 特命教授 嶋田 隆一 先生の研究成果について、技術委員会委員長の秋田 調 氏より代行発表がありました。キャパシタは短時間用なので適用性が低いことから、フレキシブルで実系統にも導入実績が豊富なナトリウム硫黄電池とリチウムイオン電池について検討された結果が紹介されました。フライホイールについては同一回転軸上に500kWの誘導発電電動機を直結し、停電から10秒程度までをフライホイールの慣性を利用して電力供給するが、周波数低下となるため病院内の電気設備に影響がないか別途確認するとのことでした。また、更に同一回転軸上に500kW非常用エンジン発電機をクラッチ等で直結することで非常用エンジン発電機の起動を確実に行い、10秒以降の周波数回復とその後2分間の電力供給をまかなうとのことです。ここで、鳥飼 幸太 先生より、SMESは蓄電池に比べてイニシャルコストは高価だが、蓄電に比べて3倍以上の長寿命でランニングコストが安価であることを踏まえ、フライホイール(停電後1〜2秒)とクラッチ付非常用エンジン発電機(停電後10秒後〜)、SMES(停電後2秒〜)それぞれの得意とする時間領域や特徴を相互に補完しあった仮称RUPS(Resiliency Uninterrupted Power Supply:弾力的無停電電源装置)システムについて提案がありました。そして、RUPSの詳細な検討や設計等に関し、SMES研究会への更なる支援について要請がありました。
 技術研究発表の後、富田 優 先生が取り組まれた高温超電導に関する研究の中から、鉄道用のき電線を超電導ケーブルに移行する研究についての特別講演がありました。
鉄道の電化方式には単相交流と直流があり、我が国では都市圏を中心に、き電線の離隔距離が短くトンネルの小型化や敷地の有効利用が図れる直流の比率が高いとのことです。現行の都市圏における鉄道用変電所は線路長が数km間隔で設置され、そのメンテナンス費用の削減や便数増加に伴う電力不足と電圧低下が課題になっているとのことでした。超電導ケーブルによるき電線の直流送電が実用化されれば、超電導維持用冷却エネルギーは必要になりますが、送電損失の削減に加え、電圧低下がないため変電所が削減できる可能性があります。変電所数が削減できれば、同一変電所内に走る電車が多くなり回生ブレーキによって生じた電力が有効に利用できることから回生失効が低減され省エネにつながりますし、機械ブレーキの使用頻度が減少してメンテナンス費用の削減も期待できるとのことです。講演では、この超電導き電ケーブルの実現に向けた超電導ケーブル及びその冷却システムの設計、試験列車を用いた検証試験等について紹介がありました。超電導ケーブルについては許容電流範囲内であれば劣化なく使用できること、電車の突進・空転・リップルで電力損失が無いことの確認ができたそうです。また、鉄道現場に設置可能なコンパクトな冷却方式の検討状況について、300mの超電導き電ケーブルと営業線路への導入成果等を紹介いただきました。今後は、冷凍機のコンパクト化に向けて超電導ケーブルの熱侵入を更に低減できるよう断熱材や真空層の厚さの最適化、端末からの熱侵入への対応等、更に研究を進めていかれるとのことでした。質疑応答では、超電導ケーブルの敷設は通常のCVケーブルに比べて硬かったものの、特別な配慮なく実施できたことや超電導ケーブルにもう少し柔軟性をもたせたいといった希望も述べられました。また、超電導き電ケーブルのシステム構築費用は、変電所建設費の半分程度までコスト削減を目指すとともに、導入対象路線の選定にあたりメリットを享受できるよう配慮する必要があるとの見解を伺うことができました。本講演を通じて、超電導応用技術により鉄道システムの更なる効率化と地球環境への配慮に対する期待を抱くことができました。
 研究発表会後の懇親会では、富田 優 先生もご一緒に、SMESや超電導ケーブルといった超電導電力応用技術に対する熱心な意見交換が行われ、我が国の超電導電力応用技術が世界をリードしていくことが期待されていることを感じました。



見学会報告 (公財)鉄道総合技術研究所
2014年6月5日に国分寺市の公益財団法人鉄道総合技術研究所(以下、鉄道総研)を見学させていただきました。見学会には電力貯蔵および超電導に関連する12名の方々が参加されました。
 鉄道総研はJR各社からの負担金を受け、鉄道事業に関連する広範な研究を行っており、約400人の研究員が在籍され、そのうちおよそ45%の研究員が博士号を所持される国内最大級の鉄道系研究機関です。今回訪問した国立(くにたち)研究所は5万坪(=東京ドーム4つ分)の敷地内にレールや変電所、模擬駅舎を敷設しており、鉄道総研の中でも中枢となる研究所とのことです。今回、フライホイール式電力貯蔵システム、蓄電池を搭載した電力リサイクル車両、キャパシタ方式による電力貯蔵装置、超電導直流き電システムを見学しました。また、JR東海が2027年に営業開始を予定している超電導リニアに関する研究経緯が紹介されました。鉄道総研では前身である旧日本国有鉄道鉄道技術研究所であった1962年からリニアモーターカーの研究を行ってきたとのことです。屋外には曝露試験として設置してある車両(MLX-01)も見学することができました。
 リニアに関連して超電導磁石の耐久性試験用加振試験装置や高温超電導線材を使用した超電導磁石の紹介がありました。これにより超電導磁石を50Kで運用することで、冷却に要する消費電力の大幅な削減や、車載超電導磁石の小型・軽量化等が期待されるとのことでした。
 エネルギーの損失低減を目的として車両、電力貯蔵装置、送電方式に関連する研究が行われています。リチウムイオン二次電池を搭載したHi-tramと呼ばれる試験電車は、架線による電力供給と蓄電池によるハイブリッド運転が可能でブレーキ時に発生する回生エネルギーを失効することなく車体に蓄えることが可能とのことです。
 地上設備用の電力貯蔵装置としてキャパシタと、超電導磁気軸受を用いたフライホイールについて紹介がありました。鉄道事業における蓄電装置は電圧降下の補償、電気回生エネルギーの吸収、変電所ピーク電流の低減が主な目的で、急速充放電が可能、長寿命、メンテナンス性等が要求されるとのことです。リニア開発で培ってきた超電導技術の適用により、回転体の高荷重を負担する軸受部分が完全非接触となるため容量および運転効率やメンテナンス性の更なる向上が見込まれるとのことでした。
 送電方式については直流送電を想定した超電導電力ケーブルとその送電システムについて精力的に研究されています。鉄道事業においては電圧降下の防止を目的として数km毎に変電所を設置しているとのことですが、それでも一定時間に通過する車両数が一定量を越えると電圧が大きく下降するとのことです。このため、電圧降下の無い超電導直流送電システムの導入が期待されているとのことです。
 今回の見学会を通じて鉄道事業における省エネルギー化をねらいとした各種研究内容と、リニアに関するこれまでの研究、開発への取組みについて多くの知見を得ることができました。最後になりましたが、見学会の開催にあたり多大なご協力をいただいた(公財)鉄道総合技術研究所の皆さまに深く感謝申しあげます。



J-PARC電力補償作業部会報告会
かねてより当研究会で行ってきましたJ-PARC電力補償作業部会の報告会が5月1日10:30〜に高エネルギー加速器研究機構(KEK)で行われました。研究会メンバーが7名,KEKから12名,大学,研究機関,企業から10名,計29名の参加があり,16:30まで作業部会報告と熱心な質疑応答がされました。
 報告会のプログラムは,HPの[各委員会開催ご案内]にあるとおりですが,秋田技術委員長の当研究会の活動と今回の作業部会主旨の紹介に始まり,今回検討した補償方式(FW,SMES,キャパシタ,EDLC)についてそれぞれの検討結果が報告されました。それぞれの得失,電力補償方式の回路方式などのアイデアが提案されており,電力補償により電力回生ができ,省エネルギーにもなることが示されました。今回の作業部会による検討内容は,J-PARCの電力補償への応用だけでなく,例えば粒子線治療加速器やILCなどへの幅広い活用が期待できます。
 この検討結果をもとにKEKがJ-PARC用電力補償方式の設計検討を進めていくことになりますが,当研究会は引き続き協力をしていくことになりました。
 なお,作業部会活動報告は,HPの[定期刊行物―発表論文データベース]に載せてありますので,ご覧下さい。



第25回超電導電力貯蔵研究発表会
 第25回超電導電力貯蔵研究発表会が平成25年7月5日(金)東京大学山上会館において開催されました。東日本大震災以来、再生可能エネルギーの活用がますます叫ばれる状況において、高効率、電力授受の即応性を特徴とするSMESの実用化が望まれている中、大学、研究機関、企業から約80名の研究者、技術者が参加し、活発な議論が行われました。今年度は、特別講演として独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)統括研究員 諸住哲氏をお招きし、「NEDOのスマートコミュニティ事業 最近の動向」と題して講演していただきました。講演では、再生可能エネルギーを最大限に利用すべく国を挙げて技術開発がなされているスマートグリッド技術の最新動向について興味深く解説していただきました。
 会長、理事長の挨拶の後、まず、SMES研究会技術委員長の秋田調氏より研究会における平成24年度の研究成果の概要と、その中から「日負荷平準化用途大規模SMESの可能性検討」について紹介されました。これは、465 MJコイルを4000個並べて360 MWhの日負荷平準化用大規模SMESシステムを構築するというアイデアで、コイルには15 kA級YBCO線材を用いた電磁力平衡コイルを適用することで大きな支持物を用いることなく土地を有効利用できることが特徴とのことでした。
 次に、高エネルギー加速器研究機構名誉教授 佐藤 皓先生より「J-PARC 50 GeVリングの電力変動補償用SMES」と題して、大強度陽子加速器(J-PARC)電源補償のためのエネルギー貯蔵装置の検討について、これまでの経緯と来年予定している加速器の出力増加に対応するための補償用SMESの検討状況が紹介されました。電力貯蔵方式としてはSMES以外にフライホイール、キャパシタについて検討されています。キャパシタ方式は近年耐久性が向上しつつあり、また、欧州原子核研究機構(CERN)での導入実績もあることからSMESの強力なライバルになるのではないかとの議論も行われました。
 続いて、中部電力株式会社研究主査 長屋重夫氏より「高温超電導SMESの開発状況」が紹介されました。国プロジェクトによるSMESの開発は、平成3〜19年度にわたって3つの開発フェーズで行われ、それぞれ、要素技術の開発、低コスト超電導コイルの開発、酸化物系線材利用によるコンパクト化などが実現されました。引き続き行われた国プロジェクトでは、コイルの応力低減技術、コイル補強構造の採用、Y系超電導コイルの開発、低コスト大容量変換器の開発などが行われ、これらの概要について紹介されました。長年の開発の結果、高温超電導SMESはいよいよ実用化のレベルに達してきており、早期の実用化が望まれるとのことでした。
 東京工業大学名誉教授 嶋田隆一先生からは「J-PARC 50 GeVリングの負荷変動補償用フライホイールの検討」について報告されました。フライホイールに接続する発電電動機にかご型誘導機を用いることが提案され、他の発電機と比較して安価なシステム構築が可能とのことでした。加速器負荷はピーク電力の変動は大きいが加速時間が短く、貯蔵するエネルギー量は大きくないので、J-PARCの場合、160 MW、20 MJ程度の規模が必要とのことでした。厚さ10 cm、半径1 mの鉄製円盤を毎分1500回回転させれば15 MJのエネルギー貯蔵が可能で、電力パルスの平準化装置を安価に開発できる見通しを得たと紹介されました。
 研究発表会の最後にNEDO諸住哲氏の特別講演が行われました。NEDOではこれまで再生可能エネルギーの電力系統への連系技術の研究、開発、実証を行っており、2010年以降はこれをさらに進めて社会システムのニーズを組み込んだスマートコミュニティの実証に着手しています。スマートコミュニティ事業では、再生可能エネルギーの大量導入と高品質な電力供給のために、通信技術を活用して電力の供給側、需要側の双方向で効率よく需給制御する技術の実証を行っています。日本で開発されたこれらの技術を海外で活用してもらうために、海外での数多くの実証事業を行っており、講演ではアメリカ・ニューメキシコ、ハワイ・マウイ島、フランス、スペイン、イギリスでの実証事業の概要が紹介されました。
 ニューメキシコ実証事業では、太陽光発電装置(PV)、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄(NAS)電池、エネルギーマネジメントシステム(μEMS)、電力線搬送(PLC)転送遮断装置、スマートメータ、HEMSなどの機器でスマートグリッドを構成し、それぞれの技術の実証試験が行われています。これらの成果は技術規格の国際標準化のためにも活用されるとのことでした。ロスアラモス実証サイトは人口2万人、需要規模5MW程度での実証、アルバカーキ実証サイトは商業地域のマイクログリッド化に関する実証で、PVによる電圧変動をグリッド内の分散型電源で吸収するというもので、これは米国ではあまり例の無い仕組みとのことでした。
 ハワイ・マウイ島での実証事業は、離島型のスマートグリッドの実証で、風力発電の出力変動を電気自動車や電力貯蔵装置の運用により補償するというものです。マウイ島では系統規模200 MWに対して風力発電が30 MW接続しており、風力発電の出力変動により0.5 Hz程度の周波数変動が1日あたり十〜数十回程度発生しているとのことでした。その他、リヨン(フランス)、マラガ(スペイン)、マンチェスター(イギリス)での実証事業が紹介されました。現在、経済産業省が中心となってスマートグリッド技術の標準化を目指しており、国際標準化を行うためには実証が必須とのことで、このような数多くの海外での実証事業を手がけているとのことでした。
 諸住氏の講演を通じて再生可能エネルギーの導入拡大のためにもスマートグリッド技術が早期に確立され、日本だけでなく広く海外に活用してもらいたいという熱意を感じました。このスマートグリッド技術にSMESが活用され、広く海外でも活躍する日が来ることが期待されます。
 研究発表会後の懇親会では、諸住氏もご一緒に、SMESをはじめ日本が誇るスマートグリッド技術が広く海外で利用され、再生可能エネルギーが広く普及することを期待しつつ、各方面の専門家の間で懇親を深めました。



見学会・公開拡大技術委員会
平成25年5月21日(火)に見学会および公開拡大技術委員会が開催されました。今回は、東京電力(株)旭変電所の高温超電導ケーブル実証試験設備と(独)理化学研究所横浜キャンパスのNMR装置を見学させていただきました。総勢40名余りのたくさんの方々に参加していただき、大盛況のうちに執り行われました。
高温超電導ケーブル実証試験は、超電導ケーブルを変電所の変圧器2次側から66kV母線との間に接続して負荷電流を通電するという国内初の実系統による超電導送電試験です。昨年の11月から系統接続し200日余りの長期運転を継続しており、これまで大きなトラブル等なく安定に送電が継続されているとのことでした。240mにわたるBi系高温超電導ケーブルが構内に敷設されており、終端接続部、中間接続部、地中埋設部、冷却システムなどから構成されています。超電導ケーブル同士を接続する中間接続部は、超電導テープの接続部の上から超電導テープの束を巻きつけて接続されており、接続抵抗はナノオームレベルとのことでした。冷却システムは1kWのスターリング冷凍機6台の3並列で構成されており、循環ポンプにより液体窒素を超電導ケーブルに毎分40リットル送出し、供給温度と戻り温度の差が2度以内に保たれています。熱侵入が最も大きいのが変圧器2次側電流リードと接続している終端接続部で、約1kWの熱侵入があるとのことでした。それでも常電導ケーブルの抵抗損失に比べて十分小さく、超電導ケーブルのメリットは大きいとのことでした。
引き続き、理化学研究所横浜キャンパスにおいてNMR装置を見学させていただきました。NMR装置はタンパク質や有機化合物の立体構造を解析するために使われており、解析成果は創薬や医療に活用されています。NMR信号は、サンプルに印加する磁場強度が高いほど大きく分解能も高くなるため、より高磁場が要求されています。理化学研究所では600MHz, 14T〜900MHz, 20Tの高性能NMR装置を10台以上保有しており、世界最大規模とのことです。理化学研究所では、さらなる高磁場化を目的に高温超電導コイルを適用したNMR装置の開発が行われています。Bi系高温超電導コイルを用いた1GHz, 24TのNMR装置が試作されており、現在、RE系線材を用いたNMR装置が開発されています。RE系コイルの適用により1.5GHz, 35T級のNMR装置が可能になるとのことです。高温超電導コイルでは、超電導接続部にナノオームレベルの接続抵抗が残り永久電流による運転ができないため、100Aの超高安定化電源を用いてコイルの電流変動幅が1ppm以内に保持されています。またRE系テープ線材では遮蔽電流による磁場分布の乱れが発生するため、これを抑制する工夫も施されています。高温超電導がNMRに適用できることを実証したのは世界で初めてとのことでした。
見学会の後、引き続き公開拡大技術委員会が理化学研究所横浜キャンパスにおいて開催されました。今回は、SMES研究会の活動を広く知ってもらうことを目的に非会員の皆様にも広く参加を募り、公開という形で開催されました。委員会では、まず、高エネルギー加速器研究機構の佐藤皓先生より「エネルギー貯蔵装置によるシンクロトロン電磁石電源の負荷変動補償の研究経過」について報告されました。これは現在SMES研究会で検討を進めているJ-PARC(大強度陽子加速器施設)主リング電源の電力補償へのSMESの適用に関するものです。続いて東京工業大学の嶋田隆一先生、磯部高範先生から「無効電力補償装置により電圧制御されるかご型誘導発電機マイクログリッドの提案」と題して、フライホイール誘導機を電力貯蔵に用いたマイクログリッドの提案や実験結果などが紹介されました。最後に、中部電力の長屋重夫様より「高温超電導SMESの技術開発状況」について紹介されました。これまでの開発プロジェクトの成果を分かりやすく解説いただきました。いずれの講演も大変活発な議論が行われました。
 最後になりましたが、見学会・公開拡大技術委員会の開催にあたり多大なご協力をいただいた東京電力(株)、前川製作所、(独)理化学研究所の皆さまに深く感謝申しあげます。



平成24年度公開拡大技術委員会(2012/11/13)
韓国チェジュ島でのワークショップの帰りに日本に立ち寄られた機会を利用して、William V. Hassenzahl博士の講演会が11月13日10時30分から約1時間に亘り中国電力東京支社で開催されました。“SMES: Then and Tomorrow - A Historical Perspective” という題し、SMESの当初の歴史から今後の展望について興味深い講演でした。参加者は将来を担う若い学生さんも含めて16名でした。Hassenzahl博士は1970年代からSMES開発を進めてきた草分け的な研究者で、SMES(Superconducting Magnetic Energy Storage)の名付け親だとのことです。当初の用水代替SMESの開発から、BPAの小規模SMES、また今後の高温超電導導体を利用したSMES開発の展望について説明がありました。